【久保田 千寿 純米吟醸】利酒師が飲み方や料理との相性を評価

久保田 千寿 純米吟醸
久保田 千寿 純米吟醸
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きき酒師の渡邉です。

日本酒業界では、言わずと知れた久保田の純米吟醸・千寿。

その千寿の味わいや、飲み方、料理との相性(ペアリング)できる限り詳細に評価しました。
いわば「久保田・千寿・純米吟醸」に関するデータベースのようなページです。

千寿の評判や口コミを気にしている人の参考になればと思います。

味わいの評価

落ち着いていながらも、確かに感じる華やかな香り。旨味、酸味、甘味の絶妙なバランスは、スッキリとした飲みやすさがありながらも、飲みごたえも感じさせる見事な味わい。ドライな刺激感と、キレの良さは抜群で、食中酒としては文句なしの一級品と断言できる。

ペアリング

昆布巻き
いやな風味を全部切って、いいところだけを味わわせてくれる。かなり酒のドライな感覚、キレを感じられる。

田作りとの相性

田作り
佃煮の甘さと調和して、魚介の臭みは切ってくれる。

ブリの塩焼き
ブリの豊かな旨み風味を、しっかりと楽しんだ後に、口の中を潤す千寿によって、跡を引かず、潔く、スッキリと切ってくれ、爽やかな余韻を残してくれる。
決してブツぎりにブリの味わいを洗い流すわけでなく、自然な切り口で、流れで、料理から酒へと役者が変わる。

 

ブリの照り焼き
タレの甘い味わいに、麹由来の甘いテイストで調和しながらも、ドライでビターな味わいで、キレイにすっきり後味を切ってくれて、美味い。食中酒。同じ久保田の萬寿(純米大吟醸)が味わいを拡げるのに対し、千寿はスッとキレイにリセットしてくれる。料理の味わいを邪魔せず楽しませてくれながらも、自然に徐々にフェードアウトするようにキレイにリセットしてくれる。

黒豆との相性

黒豆
酒の甘みが引き立ち、少し柔らかく感じられ、黒豆の甘さも酒のキレですっきりさせてくれて、よく合う。華やかで甘みの存在感もある同じ久保田の萬寿・純米大吟醸よりも良いペアリングになるのは意外だった。

低温調理鶏胸肉、ターメリックとクミン仕立て
旨みの厚みがちょうどよく、気持ちよく切ってくれて、シンプルに良い。

低温調理鶏胸肉、ソーセージ風味付け
ソーセージ風味(セージ、ナツメグ、ガーリックチップで味付け)とも普通に合うが、やはりこっちは久保田・萬寿(純米大吟醸)の方が面白いペアリングが起きる。

低温調理レバーの甘露煮
レバーの風味は残るが、変に強調されたり、悪目立ちせず、ニュートラルに介入するだけなので、とくにシナジーはないが、食中酒としてはアリといえばアリ。

久保田・千寿・純米吟醸ととんかつ

とんかつ
先味ではとんかつの味わいとも釣り合いのとれる酒の厚みを感じるが、後味では衣の油を切りきれず舌に残る。酒の爽快でドライな味わいが印象的だったので油を切りきれなかったのは意外。悪くはないが積極的には推奨しない。酸化の度合いにもよると思うので、開栓直後ではまた違ったペアリングになるかもしれない。

久保田・千寿・純米吟醸と切干大根

切り干し大根
醤油の旨味や大根の甘みが、同じく酒の旨味・甘みと調和しつつ、酒のキレで後味は爽快でとても好相性。

キャンプ・燻製

キャンプでの燻製との相性も評価。

手作りいぶりがっこ(燻製たくあん)

手作りいぶりがっこ(燻製たくあん)

手作りいぶりがっこ(燻製たくあん)
千寿の凛とした味わいの中にある、澄んだ旨味と穏やかな酸味が、いぶりがっこの漬物ならではの塩味と大根由来の自然な甘みと見事に調和しつつ、最後に香る桜木の燻製香を奥ゆかしく引き立ててくれる。極めて美味。

燻製イカとの相性

燻製イカとの相性

燻製イカ
普通に合うが、燻製の香りがなんか、ただ後味として残る感じ。イカの旨みと調和して切ってくれる感じはある。

燻製チーズとの相性

燻製チーズとの相性

燻製チーズ
燻製とチーズの旨みと酒の旨味が交わりつつ、後味をスッキリと切ってくれて、美味い。