利酒師とは。現役きき酒師が感じる資格のメリットと活用法

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利酒師は日本酒に関する資格ですが、具体的にどのような資格かご存じない方も多いかと思います。

私も資格を取得する前は「何の役に立つのか?」「どんな人がなるのか?」など、わからないことだらけでした。

本記事はそのような方に向け、現役の唎酒師である渡邉が以下の項目を中心に、唎酒師の実態について解説していきます。

  • 唎酒師とはどのような資格か
  • 唎酒師になるメリットと活用法
  • 資格取得のための費用・年会費
  • 私が唎酒師になった理由
  • 資格取得の流れと試験内容

唎酒師とは「日本酒のソムリエ」としての資格

利酒師とは日本酒のソムリエとしての資格

唎酒師の資格を取得したときの筆者

「利酒師」「きき酒師」など色んな表記を見かけますが、正式名称は「唎酒師(ききさけし)」。

唎酒師とはわかりやすくいうと「日本酒のソムリエ」としての資格です。

資格は、NPO法人FBO(料飲専門家団体連合会)と、その下部団体であるSSIが審査・認定・運営を行っています。

さまざまなニーズやシーンに合わせて、最適な日本酒の選択、提案、提供、解説ができる能力を有していることを証明し、またそれらを継続的に養っていくための資格です。

どのような人が資格を取るのか

利酒師

秋田にて新作日本酒発表の記者会見に参加する筆者

資格は「飲食店や酒販店の従事者が、高品質な日本酒サービスを提供できるようにする」という目的がベースにありますが、そのためには日本酒に関する広範な知識とスキルが必要になります。そして、それらの知識やスキルの有用性は飲食の従事者だけに限られるものではないため、結果的にそれらの業界関係者に限らず様々な人たちが資格を取得し、仕事やプライベートなど多種多様なケースで活用しているという実態があります(私もその1人です)。

例えば、その能力・ホスピタリティが、

  • 顧客・消費者に向けられれば「サービス」
  • 取引先に向けられれば「接待・営業」
  • 家族や友人に向けられれば「もてなし」
  • 自分のために使えば「趣味」

として活用できるといったイメージです(詳細は活用法のパートで触れます)。運営側もそのような実態に則して、門戸を広くとって様々な人を受け入れています。

唎酒師に求められる資質

唎酒師の資格の取得および唎酒師としての活動のためには、実に広範な知識とスキルが求められます。

それらを整理すると、次の3つに大別できます。

  1. 日本酒に関するあらゆる知識
  2. テイスティング能力
  3. もてなしの心得と作法

 

具体的には、以下のような知識と能力です。

  • 基礎知識・教養としての広範な食の知識(世界中の醸造酒、蒸留酒、スピリッツ、混成酒、お茶、チーズ、その他発酵食品、シガレット、等の分類・特徴・歴史など)
  • 日本酒の製造の知識(原料となる米の栽培方法、水の特性、原料処理、発酵、瓶詰め・出荷まで)
  • 日本酒の歴史と文化(日本酒の発祥と発展、社会情勢の変化による変遷)
  • 日本酒の市場(市場の移り変わりと現状、市場での強みと課題、海外情勢)
  • 日本酒のテイスティング(香味特性別の分類法、官能評価、言語化能力)
  • 日本酒の提供方法(顧客ニーズの読取り、製品選定、酒器選定、ペアリング提案、提供温度、サーブ、保管方法)

資格取得を取得するためには、これらの能力が問われる第1次試験から第4次試験までの4回に渡る審査(詳細後述)をパスする必要があります。つまり、資格の取得を通じてこれらの能力を身につける必要があります。

唎酒師になる6つのメリットと活用法

1.日本酒の専門性が身につく

資格取得には筆記やテイスティングなど4つの試験に合格する必要がある。写真は実際の試験会場

唎酒師になるためには、1次から4次までの試験に合格しなければなりません。

よって、試験の合格に向けて学習を行う過程で、日本酒に関する広範な知識・専門性が身についていきます。

詳細は後述しますが、試験では以下のような事が問われます。

 

■ 一次試験「飲食のベースとなる知識」
世界中の醸造酒、蒸留酒、スピリッツ、混成酒、その他嗜好品(世界中のお茶、チーズ、シガレットなど)の特徴や歴史などの広範な知識

■ 二次試験「日本酒に関する深い理解」
日本酒の原料、製造方法、特徴、歴史の理解、提供方法、市場

■ 三次試験「日本酒のテイスティング能力の実技試験」
テイスティングによって日本酒の特性の抽出や品質(劣化度)を評価

■ 四次試験「日本酒のセールスプロモーション力の評価」
季節やシチュエーションに沿った日本酒のプロモーションの企画書を作成し、提案力が評価される

2.資格取得後は日本酒の「より高度な学習環境」が手に入る

学習環境

唎酒師向けの無料・有料のセミナーが毎月開催される。

どんな活動をするにせよ、唎酒師を名乗るからには日本酒の高度な専門性を発揮し続ける事が求められます。

日本酒は長い歴史の中で多様な種類や楽しみ方が生まれ、そして現在も状況は刻々と変化し続けています。よって、唎酒師の扱う情報は必然的に膨大になり、常日頃からの継続的な学習・情報収集が欠かせません。

その要求に応えるべく、唎酒師は、認定団体であるSSI・上部団体であるFBOから、日本酒に関する学習・トレーニングのための非常に手厚いサポートを受けることができます。

その一環として、毎月、唎酒師限定の無料セミナーや、割引セミナーが開催されています。

学習環境

月1回開催の無料セミナー。この日は農口尚彦研究所の方をお招きし、会場は満席。

例えば、酒蔵の代表や上役の方を呼んで、実際にその蔵の日本酒をテイスティングしながら蔵の酒造り、歴史、現状、展望を聴く蔵元セミナーは月1で開催されており、唎酒師なら無料で参加可能。

私も、ほぼ毎回参加しています。

その他にも、様々なセミナーが開催されています。

酒器が味わいに及ぼす影響を検証するセミナー。

酒器が味わいに及ぼす影響を検証するセミナー

ラーメンスープとのペアリングを検証するセミナー

ラーメンスープとのペアリングを検証するセミナーなど挑戦的な勉強会も

この日の講師・ラーメン界の巨匠阪田博昭氏と記念撮影

また、2023年4月からは専用のスマートフォンアプリもリリースされました。こちらから過去のセミナーの動画や、情報・トレンドをキャッチアップするための動画コンテンツを無料で視聴する事ができます。

利き酒師のアプリ

こちら非常にコンテンツが充実しており、今なお毎週新しい動画がアップされ続けています。
私も、興味のあるものから視聴を始めており、最近は「日本酒 × チーズのペアリング」について学びました。

また、前述のセミナーや各種活動を通じて自分と同じ唎酒師の人たちと知り合う機会も増えてきます。
普段の生活ではまず知り合うことのない、日本酒の専門家・愛好家たちとの交流は、必然的に非常に質の高い情報交換になります。
彼らとの交流を通して、日本酒の専門家としてますますのレベルアップを図ることができるのです。

3.仕事に活かせる

記者会見

日本酒のメディア向け完成披露会に参加する筆者

そうやって身につけた専門性は、様々な形で仕事に活かす事ができます。

それは飲食店・酒販店関係者に限った話ではありません。

例えば、私は日本酒に関する記事の執筆・編集の仕事をしています。
唎酒師として身につけた、日本酒の特徴や製法、歴史の知識は蔵元への取材のとき非常に役立ちます。また、テイスティングコメントのスキルは記事で紹介したい日本酒の特徴や魅力を、それを飲んだことのない読者にも伝える際に役立っています。

他にも、

  • アナウンサーの方が日本酒関連のロケで活用
  • 営業職の方が日本酒好きの取引先との接待で活用
  • 会社員の方が資格きっかけでバーに立つようになった

など、仕事への活用の仕方も人の数だけ存在しています。
SSIのYouTube動画でも唎酒師の活用事例について紹介されてます。

4.日本酒のプロフェッショナルとして活動できる

日本酒のプロ

唎酒師としてYahoo!JAPANで日本酒キャンプの連載を持つことになりました。

唎酒師の資格は、日本酒の専門性を持っている事の証明書の役割も果たしてくれます。

それを積極的に活用する事で、日本酒のプロとしての活動の幅を広げる事ができます。

例えば、私は唎酒師取得後に、Yahoo!JAPANにて、唎酒師としての連載の仕事が決まりました。

先方に日本酒の専門家として認められたからこその起用でした。

日本酒の専門性をより高いレベルで発揮したい、活動の幅を広げたい、と思った時に非常に役に立ってくれる資格です。

5.日本酒の専門家・愛好家との出会い

飛良泉本舗の専務・齋藤氏にインタビューする筆者

既に少し触れましたが、セミナーや各種活動を通じて他の唎酒師の人たちと知り合う機会も増えてきます。

そこにいるのは、日本酒を扱う仕事をするプロフェッショナルや、人並外れた日本酒の愛好家たちばかりです。

交流するなかで、質の高い情報交換ができ、雑談の中から新たな仕事が生まれることもあります。私も唎酒師というコミュニティで活発精力的にに活動することで、日本酒の専門性がさらに高まっていっているのを感じています。

6.プライベートで役立つ


専門家としての日本酒の知識は、もちろん個人的に日本酒を楽しむときにも大いに役立ちます。

私個人の感想としては、料理とのペアリング、温度帯の選定、酒器選びなどの場面で大いに役立ってます。知識が増えるにつれて日本酒の楽しみ方がどんどん広がっていってます。

また、日本酒好きとの出会いが広がると前述しましたが、その影響は仕事だけでなく、もちろんプライベートにも波及します。好きなだけ日本酒の話をしても敬遠されない、むしろ喜んで応じてくれる、貴重な貴重な飲み仲間を得ることができるからです。

このような目的で、つまり完全に趣味で、唎酒師の資格を取るという方も少なくないようです。

資格取得時にかかる費用

資格取得の方法(通信型 or 通学型 etc…)にもよりますが、118,860円〜158,460円の費用がかかります。

私は通学方式で、139,100円かかりました。

資格取得後にかかる費用(年会費)

年会費は15,900円です。

なお、初年度の年会費は上記の「資格取得時にかかる費用」に含まれています。

私が唎酒師になった理由

唎酒師になる理由は百人百様ですが、サンプルとして私の動機を例示しておこうと思います。

既に記事の前半で挙げたようなメリットを享受したかったというのもありますが、それ以外にも以下のような理由がありました。

「テキストの秀逸さ」から運営団体を信頼できると感じた

唎酒師のテキスト

唎酒師のテキスト『日本酒の基』(著者は電子版を購入)

唎酒師の資格試験の教科書であり、唎酒師になったあとも引き続き必携のテキストである『日本酒の基』。この本が非常に秀逸です。

私がこの本に初めて触れたのは、唎酒師を志すことになる遥か前のことでした(※『日本酒の基』はAmazon等で誰でも購入可能なので)。

当時、仕事で日本酒の記事を書いており、信頼できる参考文献を探していました。

ネットの記事も、日本酒の書籍も、内容がカジュアルであまり深掘りしたものがなく、また文責の所在も明らかでなく、個人で楽しむ用途ならまだしも、仕事で用いるには信頼性に欠けると感じていました。

日本酒の科学

『日本酒の科学』も良書だったが、『日本酒の基』の内容の網羅性は圧倒的だった。

そんな中、これは使えそうと思えたのが、ブルーバックスから出版されている『日本酒の科学』と、件の『日本酒の基』(唎酒師の認定団体・SSIによる刊行)でした。どちらも然るべき機関から刊行されているという事も大きいですが、科学的なエビデンスが必要な箇所にはしっかりその裏付けがあり、加えて歴史や文化的な背景なども交え、内容の厚みも信頼性についても申し分ないと感じました。

日本酒の基の目次

日本酒の基の目次の一部

その中でも、『日本酒の基』がカバーする範囲・情報量は群を抜いていました。それから長らく、日本酒の教科書・兼・辞書としてヘビーに愛用。仕事でこの本に助けられるたびに刊行元であるSSIへのポジティブなイメージは強まっていきました。

そして、そのポジティブなイメージはのちに、唎酒師の他のメリットと相まって、受験を後押しする要因の1つとなったという訳です。

ポリシーが完全に一致していた

料理をしている写真

毎日数十人分の食事を作る仕事をしていた頃の筆者

唎酒師のテキスト『日本酒の基』を読んでいると、日本酒の知識とは別に、唎酒師としてわきまえておくべき、根底にある信念のようなものを私は感じます。そして、その信念が自分のポリシーと一致しており、非常にシンパシーを感じました。

そのポリシーとは、「あらゆる事が徹底している」ということです。

 

唎酒師は、日本酒を飲む人(顧客などの第三者、あるいは自分自身)に対して、最高のサービスを提供する人です。
そのために、その目的に関連する、あらゆることを徹底します。

『日本酒の基』は、現在のほとんどの日本酒提供店は顧客の視点に立てていないという問題提起から始まり、その一例として「居酒屋のメニュー表の日本酒の欄」の話を持ち出します。
「情報量が少なすぎる」かつ「専門用語の使いすぎ」で、これでは顧客がそのとき飲みたい日本酒にたどり着けるわけがない、と。
これに関しては、私ではなくても、深く頷きたくなる人は多いのではないでしょうか。

 

そしてその後、顧客に最高の体験を提供するための日本酒の基礎知識(品質、原料、製造法、歴史)、提供方法(ニーズの推察、料理とのペアリング、季節の考慮、酒器と提供温度の選定)などの話へ移り、それに関する濃厚で膨大な情報が網羅されています。

その妥協を許さない姿勢、合格ラインを越えられればいいというコストパフォーマンス思考ではなく、常に満点を狙って全力投球していくようなマインドが、私自身の信念とも一致しました。

疲れ果てた男

全集中の調理で精根尽き果て、遠くを見つめる筆者


私も、誰かに食事やお酒を提供する際は上記のようなもてなしのマインドでいますし、自分で日本酒を楽しむ際もそのような心持ちでいます。

以前も、普通の飲み会の開催を頼まれたところ、企画段階で「参加者の満足」を追求していたら、いつの間にか会場を貸し切ってのフェスになっていたことがありました。

肉フェス

illustration by @hama_2117

肉フェスツイート

肉フェスの開催ツイート

さらにいえば、唎酒師として日本酒の記事を書いている時には、「情報の正確さ」「わかりやすさ」などの観点で、読者に対してもてなしの心を持って執筆することを心がけています。それも日本酒ライターとしての「もてなしの心」だと思っています。

日本酒文化に貢献したくなってしまったため

日本酒蔵

実家からまあまあ近い酒蔵「花の香酒造」

日本酒業界は、業界全体の消費量・売上としては年々減少しており、決して楽観視できない状況にあります。

そんな中、私は日本酒という文化・業界がもっと活性化して欲しいと心の底から思っています。

そういうと、公のために尽くす志の高い人間に見えそうですが、そこには自己中心的な理由も多分に含まれています。理由は単純で、日本酒の消費量が減って酒蔵の数が減れば、それだけ自分が飲むことができる地酒の種類も減ってしまうので、それはなんとしてでも食い止めたいからです。

地方には知名度は低いけれど、素晴らしい日本酒を作っている蔵も多くあります。そういった酒蔵が、私自身が出会う前に倒産してしまうことを防ぐためにも、日本酒業界の活性化には大いに貢献したいと思っています。日本酒好きにとって、業界への貢献はある意味自然な流れかもしれません。

また、それと同じくらい、文化的な側面からも日本酒業界に貢献したい思いは強いです。長くなってきたので、その点について記事の最後に記載しようと思います。

資格取得までの流れ

申し込みから資格取得までの流れ

申し込むコースによって若干の違いがありますが、概ね以下のような流れです。

  1. 説明会・事前面談(希望者のみ)
  2. 申し込み・振込み
  3. 教材を使った自習(自宅)
  4. 講義(会場 or WEB)
  5. 試験(1次〜4次)
  6. 結果発表

試験と学習範囲

第1次試験
食品・飲料全般の基礎知識に関する設問
出題範囲:『新訂 もてなしの基

第2次試験
日本酒の原料(稲作・米、水、麹菌、酵母、乳酸菌)
日本酒の製法(発酵、原料処理、製麹、酒母造り、醪造り、搾り、瓶詰め)
日本酒の表示(関連法規、製法品質表示基準)
日本酒の歴史(日本酒の起源、縄文から近代の変遷、戦争、現代の日本酒)
日本酒の提供・販売面における問題点と解決策(日本酒市場の変遷と現在、唎酒師の役割)
日本酒のサービス(もてなしの心得、保存管理、容器、提供温度、酒器、料理とのペアリング)
出題範囲:『新訂 日本酒の基

第3次試験
テイスティング(実技)による日本酒の品質の評価と個性の抽出
テイスティング(実技)による劣化した状態の日本酒の品質判定
出題範囲:『新訂 日本酒の基』『テイスティングノート』

第4次試験
・日本酒の季節別セールスプロモーションの企画立案
→設問で指定された季節における、有効な日本酒のセールスプロモーション企画を立案する

・香味特性別分類別セールスプロモーションの企画立案
→設問で指定された日本酒の特徴に合わせて、有効な日本酒のセールスプロモーション企画を立案する

出題範囲:『新訂 日本酒の基

 

記者会見

日本酒という文化を残したい気持ちは強いです。

美味しい地酒が無くなってしまうのをなんとしてでも防ぎたいという気持ちと同じくらい、文化的な側面からも日本酒業界に貢献したい思いは強いです。

顕微鏡もない時代から、麹菌や乳酸菌、酵母などの微生物の力を巧みに利用し、その土地にあった作物、水、微生物だけでつくり始めたものが、長い年月をかけて少しずつ洗練されていき、現代の緻密で、芸術的にすら感じられる、酒造りの手法に辿りついた。日本の風土や食文化、日本人の気質の影響を大いに受けながら完成した、この技術と歴史と文化の結晶に、日本人である以上どうしても、ため息の出る尊さとロマンを感じてしまいます。

そして、日本酒という1つの素晴らしい文化の中でも、個々の蔵によって酒造りには個性があり、それもまたその土地の気候、地形、生態系の違いの影響を受け、本当に長い年月を経て形成されたものです。

そういった酒蔵の1つが倒産してしまうというのは、例えるなら1つの生物種が絶滅してしまうのと同じくらい、日本にとっては取り返しのつかない文化的な損失を被るように思います。

そのような、本当に、本当に残念なことが起きないためにも、微力ながら日本酒の魅力を1人でも多くの人に伝えていきたい。そしてこれからもより多くの日本酒を楽しめる世の中であり続けて欲しい。その目的を実現させるためにも、唎酒師という資格を通じて、日本酒専門家としての修練の場と肩書きの力をお借りさせていただいています。