喜多屋の日本酒「純米吟醸 吟のさと」唎酒師の評価と様々な料理との相性【福岡・八女市】

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利酒師の渡邉です。

福岡県内でトップの知名度を誇ると言って過言ではない酒蔵・喜多屋(福岡県・八女市)。

本記事では、その喜多屋の日本酒「純米吟醸 吟のさと」の官能評価と料理との相性(ペアリング)について徹底的に解説。

いわば喜多屋 純米吟醸「吟のさと」に関するデータベースのようなページ。口コミや評価を気にしている方は参考にしてみてください。

喜多屋の日本酒「純米吟醸 吟のさと」のスペック

喜多屋「純米吟醸 吟のさと」のスペック

福岡県八女市を流れる矢部川水系の伏流水(中硬水)を使用。

日本酒度、酸度、アミノ酸度の表記は無し。

精米歩合は59%。

原料米には福岡県産の「吟のさと」が100%使われています。

「吟のさと」は福岡で開発された酒米の名前

「吟のさと」は福岡県八女市産の酒米の名称

「吟のさと」は酒米の名称。読み方は「ぎんのさと」

福岡県(農研機構 九州沖縄農業研究センター・筑後研究拠点稲育種ユニット)で開発された酒造好適米「吟のさと」。
読み方は「ぎんのさと」です。

命名には、地域に根ざした吟醸酒用酒米になるようにとの願いが込められています。
「山田錦」並の酒米品質(吟醸酒の麹米に向く)を備えながら、多収で倒れにくく栽培しやすい酒米品種。
具体的な特徴は以下の3つです。

  • 山田錦に、同じく山田錦の子供である「西海222号」を交配し、「山田錦」の特性を色濃く受け継いでいる
  • 心白発生率は山田錦並で雑味の原因となるタンパク質含有率もほぼ同じで吟醸酒の麹米に向く
  • 稈(かん=稲の茎)が高く倒れやすい山田錦に対し、吟のさとは短稈で風雨を受けても倒れにくく九州での栽培に適している

 

参考

農研機構プレスリリース(2012年)

農研機構プレスリリース(2007年)

香味の評価

香味の評価

香りはリンゴのような、やや強めの甘みを思わせるフルーティーさを感じる。
香りには甘いニュアンスを感じるが、酒自体の甘さはそこまでない(酒自体の糖分はそこまで感じない)。

旨みもありつつ、非常に軽やかで、とてもきれい。
日本酒の中では、頭1つ抜けて、飲みやすい。

食前酒/食後酒など、酒単体でも美味しく飲め、食中酒としてもたいていの料理には合う、最高のオールラウンダーですね。

飲み方・料理との相性/ペアリング

喜多屋 純米吟醸 吟のさととイカの相性

イカの刺身
イカの淡白な味わいに、辛口かつ後味に香る吟醸香がとても合う。九州に特徴的な甘めの醤油もよくマッチする。

寿司
鯛や、つぶ貝、ホタテ、などはイカの刺身と同じ理屈で、とても合うし、酢飯の酸味と酒の味わいの厚みも、よく調和している。
マグロに関しては、酒側の味わいの厚みが負けていてもう少しドライ感(辛口感)が欲しい。サーモンも同様。

アジの塩焼き
合う。焼きに関しても、比較的脂少なめの魚介とは合うようだ。

手羽先
合う。手羽先の脂を気持ちよくきって、後味に華やかさを添えてくれる。同じく鶏のスペアリブもやっぱり合う。魚の脂はキレないけど、鶏の脂はキレる。

牛ステーキ
牛ステーキの厚みにも負けておらず、悪くない。が、まあ、ビールがあればあえてこちらを飲む必要はないと感じる。

塩辛ジャガバター
かなり美味い。互いの旨味を接点に調和しつつ、フルーティーな甘い香りが、いいアクセントとして付加される。

喜多屋 純米吟醸 吟のさととゴボウのきんぴらの相性

ゴボウのきんぴら
和食とはまちがいない。調味料の醤油と砂糖が、酒の甘味(の香り)・旨味と調和する。
食中酒としてはキンキンに冷やして飲みたい。それで酒のキレ・ドライ感をましたい。

喜多屋 純米吟醸 吟のさとと天ぷらの相性

天ぷら
合う。きんぴらと同じように、めんつゆなどな、甘辛な味付けには間違いなく合う。

とり天も合う。
衣をまとった上でも鶏肉にひけをとらない味わいの厚みがある。左大臣よりは、脂切れはよいもよう。魚の脂はキレんけれども。やはり食中酒として非常に優秀、優等、オールラウンダー。