きき酒師で日本キャンプ協会インストラクターの渡邉です。
キャンプで使う食器は、木製のものを使うと食事が格段に美味しくなります。
周囲の自然と馴染み、雰囲気が段違いに高まるからです。
その効果たるや想像以上。1度体験してしまうと、どんなキャンパーも例外なく虜にしてしまいます。
しかし。
木製の食器には、その魅力を消し去って余りあるほどの大きすぎる弱点があります。それが、手入れがうんざりするほど面倒という点。
ですが実は、その最大の欠点を克服した、キャンプにおける最高の食器があります。それが今回紹介するKUPILKA(クピルカ)の食器です。
クピルカを知らない人も、評判は耳にして口コミを気にしている人も、ぜひ参考にしてください。
目次
KUPILKA(クピルカ):モンベルも認めた食器ブランド
KUPIKKA(クピルカ)はフィンランドのメーカー。
森と湖の国と呼ばれるこの国の原風景が広がる、自然豊かなカレリア地方を拠点としています。
クピルカの食器の最大の特徴。
それは木製の風合いがありながらも、木製食器の弱点である「取扱い・手入れの面倒さ」が無いという点です。
詳しくは後述しますが、
- 熱湯が使用可能
- 料理の臭い移りがない
- 長時間の使用・自然乾燥もOK
- 食洗機も使用可能
- その他、木材にはある欠点がない(「カビが生える」「乾燥に弱い」など)
など、木製食器ではNGな扱いも可能となっており、プラスチックの食器と同じように扱えます。
それを実現しているのが、クピルカの独自素材「Kareline®(カレライン)」の存在です。
木繊維とポリプロピレンを混ぜ合わせた素材で、木製食器の自然な風合いとプラスチック食器の扱いやすさを併せ持っています。
※フィンランドの森林認証を受けた環境に優しいセルロースファイバーと、FDA認可のポリプロピレンを使用。比率:木繊維55%+ポリプロピレン45%。
素材の木繊維はカレリア地方の間伐材を使用。また、フィンランドで企業活動に使用する全ての電気をグリーン電力に切り替えた最初の企業で、さまざまな点で環境にも非常配慮しています。
製品のクオリティだけでなく、環境への取り組みも評価されており、日本ではモンベルが国内正規販売代理店を務めています。
キャンプ飯がとにかく映える
クピルカのデザインはカレリア地方に伝わるフィンランドの伝統的な木製食器「Harakkakuppi(ハラッカクッピ)」にルーツを持ちます。
木質の自然な風合いと、トラディショナルなデザインは、とにかくキャンプ・アウトドアとの相性が良いです。
最近はホームセンターや100円ショップでも、アカシア材の食器が手軽に買えますが、ちょっとキャンプで使うにはキレイすぎるんですよね。整いすぎているというか。
その点、クピルカは、木材の荒削りな感じ、適度な歪さみたいなものが表現できていて、キャンプの雰囲気が抜群に良くなります。
私も、「久保田」の日本酒で有名な朝日酒造さんとのキャンプ企画で、おつまみを盛るお皿として抜擢しました。
写真のとおり、本当にキャンプの食事によく映え、先方も大変満足されていました。
ムーミンとのコラボも・豊富なラインナップ
皿をはじめ、カップやカッティングボード、カトラリーなど、ラインナップも非常に充実しています。
カラーバリエーションも豊富で、以下のようなコンセプトを持っています。
カラーラインアップは木質素材を活かしたブラウン、クランベリーのレッド、針葉樹のグリーン、立ち枯れて銀色を帯びた杉材のブラック、ブルーベリーのブルーなどのように、フィンランドの身近な自然を表現しています。
皿【クピルカ44】
長辺30cmの平皿。使い勝手が良いです。
こちら、yokaのミニテーブル(TRIPOD TABLE SOLO)にのせていますが、やはり木のテーブルと相性が良いですね。
ブラウン、ブラック、レッド、グリーンなどのカラーがあります。
小さめ皿【クピルカ14】
長辺19.3cmの小皿です。
1個目を使っていて、あまりにも写真映えするので小皿も欲しくなって買いました。
というのも、前述したとおり、久保田さんとの企画で日本酒キャンプをすることになり、写真映えする小皿が必要だったんです。
結果は写真のとおり。買って大正解でした。
同じくこのブログでも紹介しているyokaの木製テーブル(TRIPOD TABLE SOLO)と木のお猪口(RIVERETのYURI お猪口)との相性もすごく良いですね。
深皿【クピルカ 55】
ここから先は、筆者も持ってない製品なので、ラインナップだけサラッと紹介。
しかし、そのうち買いたい。買います。
カップ【クピルカ 21】
ムーミン・コラボ
まな板・カッティングボード
カトラリー(スプーンほか)
一式セットも
木製食器の「手入れが面倒」という最大の弱点を克服
「取扱いのしやすさ」について、もう少し深堀りしてみます。
キャンプでは、「準備」「片付け」とただでさえ面倒な事が多いです。そこに、取扱いや手入れの煩わしさが加わるとなると、いくら木製食器が魅力的とはいえ、使おうという気持ちは失せてしまいます。
その点クピルカの食器は、取扱い・手入れのしやすさについては、下記のように木製食器の長所はそのままに、そして数々の短所については完全に克服しています。
木製食器と同様の長所
- 軽い
木製食器の弱点を克服している点
- 耐久温度(耐熱100℃、耐冷-30℃)
- 食品の匂いや色が移りにくい(あらゆる料理や飲み物に使用可能)
- 食器洗い乾燥機の使用も可能
ちなみに、普通の木製食器には以下のように、うんざりするほど使用上の注意が多く、使い続けるにはなかなかの覚悟が要ります。ですが、クピルカはこれらの弱点もクリアーしています。
一般的な木製食器使用の注意点▼
■ 水に浸けたまま、長時間放置しないでください。
→木は水を吸収します。木製品を水に浸けたままにすると木地が歪む原因となります。塗装の剥離、割れ、ヒビが入る原因にもなります。■ 濡れたまま放置せずに乾拭きし、十分に水気をとってから自然乾燥させてください。
→上記と同じ理由■ 極度に熱いお湯に使用すると割れや変形を起こす可能性があります。
→急激な温度変化に弱いため■ 食器洗浄機・乾燥機のご使用はできません。
→水分、温度変化に加え、乾燥も厳禁。食器乾燥機の高温・乾燥は木地を急激に歪ませ、塗りの表面にひびが入る原因となります。■直射日光の当たる場所での乾燥・保管も避けてください。
→上記のとおり、乾燥に弱いため。■ 食品・食材の色移りにご注意下さい。醤油やソース類を直接つけた場合、また油がついた状態で長時間おいた場合はシミの原因になる恐れがあります。木製容器に入れての食材の保管も控えてください。
→金属やプラスティックと違い、木には節や導管がありますので色が濃い食品や食材・お料理は色移りすることがあります。■ 冷蔵庫にいれての保管も控えてください。
→冷蔵庫の中は低温な分乾燥しています。極度な乾燥によってヒビ割れしたり、他の食材のニオイが移ったりします。■ 使用したあとはすぐに洗ってください。
→上記の説明のとおり、水分や、食品成分の吸収を防ぐため。■ 鉄製品を濡れた状態でのせておくと、黒く跡がついてしまうことがありますのでご注意ください。
これだけの注意点があると、普通の木製食器を使うのはかなりの覚悟が必要ですね。
だからこそ、クピルカを最初に知った時は、電流が走るような衝撃を受けたんです。
取扱いが楽なので家庭での使用も
取扱いが楽なので、自宅での日常使いも全く問題なくできます。
デザイン性に優れ、その意味でも日常使いしたくなるクオリティの高さありますね。私も家で頻繁に使って、前出の写真のとおり、食洗機で洗っています。
キャンプギアを家でも使うのはキャンパーあるあるですよね。
私は、クピルカだけでなく、メスティンやホットサンドメーカーもハードユースしています。メスティンで炊いた白米は美味しいし、ホットサンドメーカーで焼く餃子も美味しいんですよね。
クピルカ使用の注意点「電子レンジ」「臭い」など
クピルカ使用の注意点です。
電子レンジについては使用する事ができません。キャンプでは関係ないですが、ご注意ください。
そして臭いについて。
まず、通常の木質食器と違い、食べ物や飲み物の匂いや味を吸収しないので、どんな食品、飲料にも使う事ができます。お酒にも使えます。また、成分を吸収しないため、使用後、すぐに洗う必要もありません。
また、新しい製品は木の匂いが強いこともありますが、匂いは数回洗うことで消えることが、メーカーにより明言されています。
キャンプの食器として、これほどの適任はいない
「取扱いと手入れが面倒」という木製食器最大の弱点をクリアーしているのは本当にありがたい。
キャンプでは、「準備」「片付け」とただでさえ面倒な事が多いですからね。
自然という場の雰囲気を楽しむキャンプにおいて、木の風合いの食器を使うのは驚くほど満足度が高まります。
人の数だけキャンプに行く目的も様々ですが、「自然を楽しむためにキャンプへ行っている」という人は、買って絶対に損はないキャンプギアだと断言できます。
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