誰も教えてくれなかった「正しい飛行機の乗り方」

ひと昔前の為政者すら見れなかった景色が7000円で見れる時代
ひと昔前の為政者すら見れなかった景色が7000円で見れる時代
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正しい飛行機の乗り方をレクチャーしよう。

ファーストステップ。
これが本当に重要だが、まず、当日晴れる事を祈る。
もし曇りや雨だったら、予算や時間に余裕がある人は翌日の便に振り替えよう(以下、晴れるまで繰り返す)

次に、これも非常に重要で、席が窓際になる事を祈ろう。
予算に余裕があれば、航空会社にお布施して窓際席を確保してもOK。

窓際の席

今日のフライトは幸運にも窓際だった。乗り合わせたCAの話によると日頃の行いが良かったからとのこと。

そしてコレもまた重要だが、離陸前、スマホを機内モードにする前に、Googleマップなどの地図アプリを開き、現在地を表示させよう。
これは、機内モードにしてネットを切断する前に、地図をダウンロードするのが目的だ。

飛行機が離陸したら、外の景色を眺める。
模型みたいな景色が一面に広がっていて、これが自分がさっきまでいた大地なのか、と思うとにわかには信じられない。不思議な気持ちになる。

そして、景色の中になんか面白いもんはないかなと思って探すと、面白いほどすぐ面白いもんが見つかる。

妙に目につく山や、でっかい湖や、変な形のモニュメント。
それが何なのかをつきとめるため、先ほど開いておいた地図アプリを見る。

気になる場所はGoogleマップでチェック

気になる場所はGoogleマップでチェック

機内モードでも窓際ならかろうじてGPSが受信でき、位置情報がわかる。先ほどダウンロードしておいた地図の上にそれを表示させることで、オフラインでも現在位置がわかるようになる。

「朝倉(福岡県朝倉市)って、山に囲まれてるんだなぁ。知らんかった」

山に囲まれた町を発見。

山に囲まれた町を発見。

地図アプリで見たら朝倉市だった

地図アプリで見たら朝倉市だった

山に囲まれてる町は、RPGでは飛空艇や気球やドラゴンに乗らないと行けないので、物語の後半にしか行けない。
敵モンスターも強く、町ではそれに対抗する高価で強力な武器が流通している。おそらく朝倉も同じように、物価も高く、周囲の野生生物も凶暴なものが多いのだろう。朝倉産のジビエを食べると、レベルが一気に5ぐらい上がるに違いない。

スマホで地図アプリを見る必要があるので別途写真を撮るためのカメラが必要だ。

「福岡だけでも、たいそう広いなぁ。」

一晩寝れば忘れるとわかっている世界の広さを、その時だけは確かに感じる事ができる。
最近地球儀を眺めて、「地球のデカさに比べれば日本小さすぎワロタ。俺の悩みはその何万倍も小さいのかクッソワロタ」と思っていたところだったが、その日本よりも小さい福岡がこんなにもデカい。

「なんか採掘場みたいなのある。大分の黒ケ浜らへんかな。」

山がある。

特徴的な地形は何なのか気になる

当たり前だが、山のない平地を縫うようにして、民家や田畑がある。
平野は人間の暮らすうえで非常にありがたい地形なんだなぁ。

面白いものはないかなぁと、引き続き目を光らせる。
GPSデータをうまく受信してくれなくなると、スマホを窓際に置いて応援する。

GPSデータをうまく受け取れないときは現在位置が固まる

GPSデータをうまく受け取れないときは現在位置が固まる

しばらく海だなというエリアに入ったら、ずっと眺めててもしかたないので、その隙にトイレに行く。座りっぱなしはタバコと同じぐらい健康に悪い。
あるいはその隙にご飯を食べたりする。
別にぼーっと海を眺めててもいい。そういう気分なら。

取引先の製品。話題として食べておかないとという義務感から食べたが普通にめちゃくちゃ美味い

取引先の製品。話題として食べておかないとという義務感から食べたが普通にめちゃくちゃ美味い

奈良は本当に山ばっかりだな。
飛行機に乗っていると登山がしたくなる。
一方、青春18切符で日本縦断してると、キャンプがしたくなる。
それで実際、キャンプを始めた。

ひと昔前の為政者すら見れなかった景色が7000円で見れる時代

ひと昔前なら為政者すら見れなかった景色がいとも簡単に見れるこの違和感

こんな上空から大地と海と空を眺められるなんて、冷静に考えたら意味がわからない。
天下を統一したあとの豊臣秀吉でも見れなかったこの壮大な日本の姿を、俺のような猫背の男が見れている。税込7580円で。

急に工場に呼び出されて
「理論的には飛行機という空飛ぶ乗り物を作る事が可能な事がわかっている。それは間違いない。だから作ってみなさい。自力で。」と言われても、一生かかっても作れないだろう。
それでも、コンビニで8時間働けばこの景色が誰でも見れる。

価値とはいったい何なのか?

そんなゲシュタルト崩壊を味わいながら楽しむ空の旅こそが、正しい飛行機の乗り方だと、私は思った。