【3分解説】流星群とは何か?天体観測の基礎知識を自然観察のプロが解説

流星群
画像提供:国立天文台
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日本キャンプ協会インストラクターの渡邉です。

夏のペルセウス座流星群など、自然鑑賞のビッグイベントの1つ・流星群観測。

ところで、子供に「流星群ってなあに?」と聞かれたら、あなたは答えられますか?
そんな状況でも恥をかかなくていいように、この記事では、そもそも流星群って何なのかについてわかりやすく解説いたします。

流れ星(流星)とは?

流星(「流れ星」)の正体は、宇宙空間にあるチリ(塵)の粒(砂粒や小石のようなもの)です。

その直径はなんと1ミリメートルから数センチメートル程度という小ささ。

このチリが、地球の大気に飛び込んできて大気と激しく衝突し、高温になってチリ自身が気化する一方で、この気化したチリの成分や大気が光を放つ現象です。

流星群とは?

画像提供:国立天文台(ペルセウス座流星群と放射点)

流星の起源となるチリは、彗星などの天体(母天体)から放出されています。

このチリの粒の集団は、母天体の軌道に沿って分布し、密集したチリの流れを作っています。

このチリの流れと地球の軌道が交差している場合、地球がその位置にさしかかると、チリの粒がまとまって地球の大気に飛び込んできます。つまり、これらの粒が、一定期間で頻発する流星として観測されます。

このように同じ母天体を起源とするチリの集団の流れから生じる流星の集団のことを流星群と言います。

地球は約1年で太陽の回りを一周(1公転)しますので、チリの流れを横切る日付は、毎年ほぼ決まっています。このため、毎年特定の時期に特定の流星群が出現します。流星群が最も活発に出現する時期を「極大」と呼んでいます。

例えば、有名な夏の流星群・ペルセウス座流星群の母天体は、スイフト・タットル彗星(109P/Swift-Tuttle)です。

「流星群の名前の由来」と「放射点」という概念

画像提供:国立天文台

流星群の名前の由来についても解説します。

例えば、毎年8月上旬に見ごろを迎えるペルセウス座流星群には、なぜペルセウス座流星群という名前がついているのか。
それは流星群の放射点という概念が関係しています。

流星群を構成する、1つ1つの流星の進行方向と逆方向に直線を引くと、直線は1つの点(厳密には狭いエリア)に集約します。これを流星群の放射点と呼びます。放射点は、流星のもととなるチリ(流星体)が、地球に飛び込んできている方向を示しています。

そして、ペルセウス座流星群は、この放射点がペルセウス座付近にあることから、この名がついています。

つまり、方角がペルセウス座にたまたま近かったから便宜上この名がついただけ。

決して、流星の源がペルセウス座の星であるわけではありません。

一時期問題になった、「消防署の方(方角)から来ました」という詐欺の手口と少し似ていますね。

みなさんも、勘違いして間違えないようにしましょう。

 

流星群の美しさだけでなく、そのメカニズムにも思いを馳せることで、より一層観測を楽しんでください。

流星群観測におすすめの道具

観測には望遠鏡や双眼鏡などの特別な道具は必要ありません。むしろ視野を広くとったほうがいいので肉眼で観察が適しています。

ただ、立ったまま長時間上を向いていると足や首が疲れます。レジャーシートなどを用意して寝転んだり、背もたれのある椅子を使って観察したりすると、楽に長時間観察を続けることができます。

天体観測に向いた座椅子

流星群観測に便利なアウトドア座椅子。キャプテンスタッグなので価格もリーズナブル

私のおすすめは、コンパクトで組み立て・片付けが簡単なこちらのアウトドアチェアです。レジャーシート上で、仰向けと座位をスムーズに切り替えられるので快適に観測が続けられます。

詳細はこちらの記事で解説しています。

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