バンコクからチェンマイへの移動手段は飛行機やバスなどいくつかあるが、寝台列車がとってもオススメだ。
「オススメ度を動物に例えたら?」と聞かれたら「シロナガスクジラぐらい」と胸を張って言えるぐらいオススメだ。
その理由を簡潔にまとめると、
- リーズナブルな価格
- 日本では味わえない旅体験ができる
- 寝心地も問題ない
という感じ。
神経質な性格なので睡眠環境が劣悪だったらどうしようとビビって震えながら乗車したが、まったくの杞憂だった。
それでいて、寝台列車という独特の雰囲気が味わえて値段以上の満足感を得られた。
この記事では、タイの寝台列車のオススメのポイントや、実際に乗車するまでの手順などを詳細に記録する。
目次
バンコク⇄チェンマイ間の移動手段・タイ国立鉄道の寝台列車
バンコクにはいくつか鉄道の路線があるが、チェンマイまでの移動ができるのがタイ国鉄の北本線という路線。
そして、その路線にチェンマイまでの寝台列車(夜行列車)が走っている。
バンコクからチェンマイへの移動手段は飛行機やバスなどいくつかあるが、この寝台列車がとってもオススメだ。
理由はいくつかあるが、3つに絞ると
- リーズナブルな価格
- 日本では味わえない旅体験ができる
- 寝心地も問題ない
というポイントが挙がってくる。
リーズナブルな価格
価格は2等寝台(詳しくは後述)であれば800バーツほど。
飛行機はLCCならだいたい550バーツ前後で取れるが、キャリーケースなどの受託手荷物を入れれば750バーツ前後になる。
また、寝台列車なら宿代が1晩浮くと考えると値段はかなりリーズナブルだ。
移動時間も飛行機の2時間弱に比べ、寝台だと13時間ほどかかるが大半は夜の寝て過ごす時間なので、時間的なロスもそれほどない。
日本では味わえない旅体験ができる
日本では一部の観光列車を除き、常時運行している実用的な寝台列車はほとんどなくなってしまった。
夜行列車には新天地への期待や不安を膨らませ、こちらの胸を躍らせてくれる特有の空気がある。
ボキャ貧な言い方をすれば
「なんか旅っぽい」
という気分を味わう事ができる。
そんなイイ旅夢気分を味わいたい人はぜひともタイの夜行列車に飛び乗ろう。
寝心地も問題ない
イイ旅夢気分は味わいたいが神経質な性格なので「寝床が劣悪だったらどうしよう」と乗車前はビビリ上がっていた。
が、まったく問題なかった。
寝台は決して広くはないが身長174センチの自分でも完全に脚を伸ばせる縦幅で、苦痛を感じる窮屈さは全くなかった。普通に眠れた。
むしろ、ガタンゴトンと揺られる車両の中で横になるのは、揺りかごに揺られているようで心地良くすらあった。
深夜バスではこうはいかない。座席を倒した程度ではろくに眠れずに、次の日は眠くて1日無駄にしてしまうことが多々。
長時間の移動はずっと同じ姿勢でいると体も痛いし疲労もたまる。
だけど寝台列車の場合は普通に立ち上がったり歩いてトイレに行ったりが気軽にできる。スクワットだってできる。
過ごしやすさの面では深夜バスとは雲泥の差がある。
とまあそんな感じで、バンコク/チェンマイ間を移動するならもう乗るしかない。
というわけで、以降は実際に乗るまでの詳細な手順・乗った時の様子について書き残しておく。
まずチケット入手【ネット予約推奨】
まずはチケット入手から。
乗客が多いため、当日に駅の窓口で手に入れるのはかなり難しい。
ネットで買えるので事前に予約しよう。日本からでも可能。
こちらのタイ国鉄の公式サイトから予約できる。
予約に必要なものは以下の3点。
- クレジットカード
- パスポート番号
- タイの電話番号
もし日本からの予約でまだタイの電話番号がなければ、Amazonで事前にタイのSIMカードを買えば電話番号を入手できる。
タイについてからSIMを買う手間も省けるし、タイで買うより安いので買って損はない。
それでも予約の仕方がわからなければ以下の記事を参照。
【関連記事】
>>【日本からも可能】バンコク・チェンマイ寝台列車ネット予約方法
予約後に送られてくるチケットのPDFはプリントアウト必須なので要注意(スマホで見せるだけではダメ)。
俺は2等寝台列車の下段を予約した(2段ベッドで上段と下段がある)。
1~3等まで車両に等級があり、寝台があるのは1、2等。
そして、2等でも問題なく夜を過ごせるクオリティーなので庶民は2等にするのが妥当(1等はお高い)。
上段は登り下りが面倒臭いし、外の景色が見える窓がないので下段がおすすめだ。
バンコク(クルンテープ)駅へ行こう
チケットを買い、乗車当日になったら駅に向かう。
乗車駅はここ、バンコク(クルンテープまはフアランポーン)駅。
この駅は、MRTという地下鉄の「Hua Lamphong(フアランポーン)駅」2番出口から直結している。
また、バンコクの中心街を横切るBTS(バンコク高架鉄道)からMRTへの乗り換える場合は、
BTSアソーク駅 → MRT Sukhumvit(スクンビット)駅
という風に行う。
飛行機のように、チェックインのような事前手続きや20分前には搭乗口締め切りなどないので発車時刻ギリギリでも乗れるが、慣れない土地での移動なので早めに到着しておこう。
駅に着いたらまず、電光掲示板で列車の乗り場を確認しよう。
駅には座席もたくさんあるし、フードコートやカフェもあるので、出発時間まで過ごす場所には困らない。
少し歩けば飲食店や屋台もあるのでここで夕食を済ませてもいいだろう。
俺は早めに行って、徒歩15分のとこにあるエニタイムフィットネスへ行って筋トレしてシャワーを浴びていた(列車内には当然シャワーや風呂はない。一応バンコク駅に有料のシャワーもあるらしい。)
その後、駅の最寄りのセブンイレブンと屋台で電車の中で食べる夕食・ビールを買って駅で待機していた。
列車に乗り込む
発車時刻の20分前ぐらいに列車がやってきた。
自分の座席がある車両に乗り込む。乗車時には特にチケットのチェックなどはない。
俺が予約した2等寝台は2段ベッドだが、乗り込んだ時点では下段がまだ座席になっている。
寝台の上段と下段の客で相席になるよう。
冷房もちゃんと効いてて、暑さとは無縁。
下段の荷物置き場。
上段の荷物置き場。
トイレ。
手洗い場。
19:35発車予定だったが、結局30分遅れぐらいで発車した。
列車が発車して数分後、ここで初めてのチケットのチェック、カチッと切られた。
後にも先にも降車後にも、これ以外のチケットのチェックは無かった。
その後、車内販売のオーダーをとりに係員がやってきた。
ここで夕食を買うこともできるが、配膳が21〜22時くらいと遅いので自分で用意した方がいいなと個人的には思った。
ただ、車内販売で買うとテーブルを出してくれるので食事はしやすい。
窓のところにビールを置いていたら車内が急に揺れてビールをぶち撒いてしまった。
車内で食う夕食。よい。
発車から1時間ぐらいすると席を倒して、下段のベッドメイキングが始まった。
ただ、夕食を食べているなどの事情があれば、後回しにしてくれるので全然気にしなくていい。
キャリーケースも広げられる広さ。
飯を食った後は寝台に腰をおろし、Kindleで優雅に読書しているフリをしながらマンガを読もう。
就寝。そして朝を迎える
22~23時ぐらいになるとみんなカーテンを閉めて、就寝し始める。
俺も歯を磨いて寝よう。
備えつけのタオルケット。
マットレスは寝心地抜群とはいかないが、寝るのに全然問題ない固さ。
広さも身長174センチの男が脚を完全に伸ばせる縦幅はある。ただ、180センチを超えると少し厳しいかもしれない。
まあ、少し脚を曲げれば寝れるだろうけど。
カーテンを閉めると、荷物置きと寝台が完全に分断される。
盗難のリスクは低いとは思うが、貴重品は寝台の方へまとめておこう。
オレはこの森野帆布のサコッシュにひとまとめにしていた。
また、バックパックやキャリーケースなども心配なら南京錠やワイヤーなどで繋いでおくと安心。
おやすみ。
そして、列車内で迎える朝。
知らない天井。
07:30頃、係員の「モーニンコーヒー!モーニンコーヒー!」と販促する声で目覚めた。
寝ぼけ眼で車窓から眺める朝日。
寝台自体の寝心地としてはまあ普通という感じだった。
だけど、ガタンゴトンと揺れながら移動する電車に横になるのはとても気持ちがよかった。
しばらくまどろんででいると、係員が「モーニング!ウェイクアップ!」とよく通る声で呼びかけながら歩いて行った。
やれやれ僕は支度した。
チェンマイ駅に到着
チェンマイ駅への到着時刻は08:40。
目覚めて支度して、ちょっと外の景色を眺めていれば着くのでちょうどいい。
昨日は暗くてよく見えなかったが、朝になると車窓からの景色がよく見える。
車内では穏やかな朝を各々が各々のやり方で過ごしている。
隣の席では白人3人家族の父と娘が仲睦まじそうに手遊びしている。
その父親に1回英語で何か話しかけられたが、何言ってるのかわからなかった。「OK, OK」と言って笑顔を浮かべた。英語が話せたら海外ももっと楽しいんだろう。
出発が遅れたので、結局チェンマイに着いたのは10時前だった。
チェンマイ駅ではGrabなどの配車アプリが使えない(使うとソンテウの運転手が怒鳴り込んでくるらしい)。
なので、駅から徒歩4分ほどの午前しかやってないカオマンガイの店でカオマンガイを食べて(めっちゃ美味かった。30バーツ)、それからGrabで宿まで行った。
列車の中でご飯を食べたり、歯を磨いたり、揺られながら眠ったり、朝日を眺めたり、外人に話しかけられたり。
なかなか貴重な体験ができて充実していた。
飛行機やバスで移動するより、味わい深くておすすめだ。
長時間の移動も、ご飯を食べたり夜寝る時間を考えれば、そんなに時間の無駄はない。
バンコク・チェンマイ間の移動があれば、また寝台列車に乗ろうと思った。
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